【取材記事】「未完成」だからこそ面白い? 謎の実験都市・けいはんなの正体

万博の「その後」を本気で作る大人たちと、そこに隠された"チャンス"

こんにちは!

SoraMediaの企業記事作成を担当している鈴木です!

 

突然ですが、皆さんに質問です。

「大学生活、なんとなく物足りない」と感じたことはありませんか?

授業を受けて、サークルに行って、バイトして。それなりに楽しいけれど、何かが決定的に足りない。

もしそう感じているなら、その原因は「変化のない日常」にあるのかもしれません。

今日は、そんな皆さんに、あえて「未完成」な場所への招待状を送ります。

その名は「けいはんな学研都市」。

2025年、街全体を使った”けいはんな万博”が行われたこの場所。お祭りが終わった今、現地をで見えてきたのは、キラキラした未来都市の姿だけではありませんでした。

 

今回はそんな”けいはんな学研都市”の中心である”株式会社けいはんな”の荒木社長に

取材をさせていただきました。

 

Q1.そもそも「けいはんな」って何? 誰がやっているの?

本題に入る前に、少しだけ前提知識を共有させてください。正直、この場所の正体を知らない人も多いと思うので。

 

📍 けいはんな学研都市(正式名称:関西文化学術研究都市)

東の『つくば』、西の『けいはんな』とも呼ばれる国家プロジェクトで作られた研究都市です。京都・大阪・奈良の3府県にまたがっていて、実は150以上の研究機関、企業や大学施設などが集まっています。

 

「なんか凄そうだけど、堅そう」

そのイメージ、半分正解で半分間違いです。これまでは「研究所でなんだかわからないけどすごいことをやっている」というイメージがありましたが、今は街全体を実験場にして開こうとしています。

 

🏢 株式会社けいはんな

今回取材したのは、この街の中心施設「けいはんなプラザ」を運営している会社です。

単なるビルの管理人ではありません。ここは、バラバラに存在している研究所や企業、そして大学を「混ぜ合わせる」役割を担っています。

社長の荒木康寛氏にお話を聞きましたが、彼らは単に場所を貸すだけの不動産業ではありません。

「いろんな人が集まる場所にしていきたいんです」

荒木社長がそう語ります。

ここは、「人と人をつないで新しい化学反応を起こす」まさに仕掛け人集団でした。

 

Q2.「けいはんな万博」って何?

大阪・関西万博に行ったことのある人なら「そういえば大阪・関西万博で、けいはんなっていう名前を聞いたな」という人。いると思います。

実は2025年の4月から10月にかけて、大阪・関西万博と連携した「けいはんな万博」が開催されていました。

これは、単なるパビリオン展示ではありません。

「未来社会への貢献〜次世代への解〜」というテーマを掲げ、街全体を会場にして行われた巨大な社会実験フェスティバルでした。

 

「万博で紹介されていた技術などを、実際に実生活に実装したいと考えています」

という荒木社長の言葉通り、この万博によってこの学研都市は閉幕後も「未来の技術を、住民や学生、研究者が一緒にテストする街」として活動しようとしています。

お祭りは終わりましたが、その熱気と「ここでなら新しいことができる」という空気感は、今も色濃く残っています。

 

Q3.サイエンス×アート?

みなさんは科学とアートが組み合わさるとどうなると思いますか?

 

「けいはんな」について調べるている中で一番気になったワードがこの
「サイエンス×アート」でした。

 

「けいはんな万博」のテーマの一つにも掲げられていたこれが私にとって一番インパクトのあるものでした。

科学とアートは一見関係の無いようにも見えますが、この二つが組み合わさることで、見たこともない新しい世界が見えます。

 

ただ、アートに科学技術を活用するというのは最近ではよく見るものです。

例えば、プロジェクションマッピングやドローンショーなどがそれに該当すると思います。

 

ここで一番面白いのは”科学技術者がアートを活用しようとしている”という点です。

これは、新しい科学的視点の発見や、生活の内側に技術を織り込むヒントを見つけ出す重要なヒントになるかもしれません。

 

Q4.「未完成」だからこそ、そこにチャンスが?

しかし、取材を進める中で、この街の「リアルな課題」も見えてきました。正直に言います。

大阪や東京などのキラキラした都市とは少し異なります。

 

私が現地で感じたことは2つ。

1.企業/研究機関同士の連携余地がある: 最先端の企業や研究所が連携し、新しい未来を切り開くポテンシャルを持っています。

2.知る人ぞ知る状態: 様々な人に知られることで、より多くの知見が集まり、さらなる技術革新につながるはずです。

これを見てどう思いましたか?

私はここが最大のチャンスなのではないかと考えます。

想像してみてください。

もし、すべての連携が完璧で、誰でも知っている有名な街だったら?

そこにはもう、学生である皆さんが入り込む「隙間」なんてありません。

しかし、けいはんなという、ある意味で”実験都市だからこそ”、学生も多いにかかわる余地があると個人的にも感じました!

・利害関係のない学生が間に入ることで、円滑な連携を促進すればいい。

・認知拡大の途中なら、SNSネイティブの「皆さん」が発信源になればいい。

・交通が不便なら、それでも来る「熱量の高い人」だけが集まる秘密基地にすればいい。

この街の「チャンス」こそが、皆さんが活躍できるステージなんです。

実際、この街では「学生だ」というだけで、普段は会えないような研究所の所長や企業のトップが話を聞いてくれる、そんなボーナスステージのような現象も起きています。

 

荒木社長も

「けいはんな学研都市にある研究所の方々も、若者と関わりたがっているんですよ」

とのこと。

なおさら関わらない手はないという状況です。

 

Q5.「観戦」から「参戦」になれる場がここにはある!?

 「直近では「大阪・関西万博」の「いのちの未来」パビリオン(石黒浩プロデューサー)のアンドロイドがけいはんなに移設されたり、今後も子供たちにイベントに参加してもらって、いずれこの地で活躍する人材になってもらいたいです」

と荒木社長は未来への期待を寄せていました。

 

「作りたい」と言えば、世界レベルの技術者たちが、興味を示し協力してくれるかもしれない環境があります。

材料は揃っています。足りないのは、それに興味を示し繋ぎ合わせる「プレイヤー」です。

あなたは、綺麗に整備されたテーマパークで、用意されたアトラクションに乗るだけで満足ですか?

それとも、まだ未完成な「実験場」で、自分たちの手で未来を作ってみたくないですか?

 

もしあなたがプレイヤーであることにワクワクするなら、一度けいはんなで開催されるイベントに参加してみてください。

そこには「わざわざ行く価値」のある出会いが、間違いなく待っています。

 


取材協力:株式会社けいはんな

 

※本記事は2025年11月時点の取材情報および筆者の実体験に基づいています。

 

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